受験市場において弘前大学医学部の難易度を語る際、基準となるのが全国の国公立医学部偏差値ランキングです。河合塾のボーダー偏差値(Kei-Net)において、弘前大学医学部医学科はおよそ65.0前後を推移しています。これは、東京大学理科三類(72.5)や京都大学医学部(72.5)はもちろん、旧帝国大学群(67.5〜70.0)と比較しても低く、旭川医科大学、秋田大学、福島県立医科大学、島根大学、琉球大学などと並んでランキングの最下位帯に位置します。
この「65.0」という数値を鵜呑みにした受験生が「医学部の中では簡単に入れるのではないか」と錯覚することが、弘前大学医学部受かりやすい理由として独り歩きしている最大の原因です。しかし、予備校の進学指導担当者は次のように警鐘を鳴らします。「国公立大学の医学科である以上、母集団そのものが全受験生の上位1〜2%に属する学力層です。偏差値65.0というのは、他学部の難関国立大(東北大学や名古屋大学の理工系上位)を軽々と超える学力水準であり、決して容易にクリアできるハードルではありません。」
さらに見逃せないのが、「地方国立医学部特有の倍率跳ね上がり現象」です。都市部の難関医学部を回避した学力層や、共通テストで目標点に届かなかった浪人生が「確実に国公立へ進学したい」という動機から一斉に弘前大学へ出願する傾向があります。その結果、見かけの偏差値からは想像できないほど高得点帯の受験生が集結する激戦区が形成されます。