珠代を語る上で外せないのが、彼女の背負う「罪」の重さです。かつて病を治したい一心で無惨の甘言に乗り、鬼となってしまった彼女。その結果、自らの手で愛する夫と子どもを喰らい尽くすという、取り返しのつかない悲劇を引き起こしました。この絶望が、彼女のすべての原動力となっています。
人を喰らう衝動を抑えるために自身の体を改造し、輸血用の血を購入することで生きながらえる。医者として人を救いながらも、自分が鬼であるという自己嫌悪から逃れることはできませんでした。彼女の美しさは、そうした自己否定と贖罪の念が織りなす、ガラス細工のような危うさに支えられています。