ネット上の口コミでは「横持ち料金=運送会社の悪質な上乗せ請求」という論調が散見されます。しかし、これは物流実務に対する著しい誤解です。
最大の盲点は、「横持ち作業に伴う貨物破損リスクの跳ね上がり」が見過ごされている点です。荷物の破損事故の8割以上は、輸送中の揺れではなく「積み込み・荷降ろし」の瞬間に発生します。横持ちが発生するということは、荷役に触れる回数が2倍、3倍に増えることを意味し、フォークリフトのツメによる突き刺しや、手作業での落下リスクが掛け算で膨らみます。請求される費用には、こうしたリスクヘッジと追加の荷崩れ防止資材の原価が含まれています。
さらに、「費用を浮かすために横持ちを拒否し、強引に大型トラックを現場付近に停車させる」という選択は極めて危険です。道路交通法違反(違法駐車・歩行者妨害)の教唆に問われるリスクがあるだけでなく、近隣住民からの通報による現場停止、あるいは緊急車両の進入妨害など、社会的責任を問われる重大インシデントに直結します。適正な横持ち費用の支払いは、コンプライアンス維持のための不可避な保険と言えます。