披露宴のフィナーレで新郎新婦から手渡される贈呈品。感動的な音楽と拍手に包まれるその瞬間、多くの親が笑顔で受け取りますが、結婚式後のアンケートやネットの掲示板(知恵袋や大手発言小町など)では、公の場では口にしづらい親世代の困惑が数多く書き込まれています。なぜ善意のプレゼントがすれ違いを生んでしまうのでしょうか。取材現場から浮かび上がったのは、大きく分けて3つの構造的要因です。
第1の盲点は、「式場での見栄え」と「自宅での置き場所問題」のギャップです。会場の後方席まで届くよう見栄えを重視した大きな花束や特大のぬいぐるみ(ウェイトベアなど)は、披露宴中こそドラマチックに映ります。しかし、シニア世代の実家は子どもの独立に伴い断捨離を進めているケースが多く、「飾るスペースがない」「ホコリをかぶるが捨てられない」という心理的重荷を親に背負わせがちです。
第2の盲点は、移動と保管にかかる身体的負担の無視です。新幹線や飛行機を利用して遠方から駆けつけた親にとって、抱えきれないほどの生花や数キロの重量物は、帰路の大きな荷物と化します。とくに真夏や真冬の挙式では生花の鮮度維持が難しく、「帰宅する頃には花が萎れて水漏れしていた」という痛ましい証言も取材で寄せられました。
第3の盲点は、「結婚式両親プレゼント手作り」にありがちな自己満足の罠です。新郎新婦が手作りした陶器やイラスト、ポエムなどは、制作側の思い入れが強い反面、実家のインテリアや親の好みに合わない場合に処分もできず、親を長年苦しめる原因になります。「気持ちは嬉しいが、好みに合わない皿を使わなければいけないプレッシャーがある」という親側の告白は、決して稀な事例ではありません。