検索上位やまとめサイトで散見される最大の誤解が、「集英社から打ち切られた」「商業的失敗で掲載終了になった」という説です。しかし、関係者の証言や出版史の記録に照らし合わせると、この見解は明確に誤りです。
集英社にとって『BASTARD!! -暗黒の破壊神-』は、コミックス累計発行部数3,000万部を超える屈指のドル箱IPであり、少年ジャンプから青年誌「ウルトラジャンプ」へ移籍させたのも、萩原氏の濃厚な描写と執筆ペースを許容するための特別な待遇でした。出版元が集英社側から一方的に打ち切る合理的な理由は存在しません。
ウルトラジャンプでの連載休止に至った主因は、萩原一至先生本人の執筆ペースの極端な低下と、作品スケールの自己増殖にあります。ジャンプ本誌時代からネームの遅延や原稿の未完成掲載(下描き状態での雑誌掲載)が常態化しており、単行本化のたびに膨大な加筆修正を行う「完全主義」が作家を精神的・体力的に追い詰めていきました。編集部は常に原稿を待ち望むスタンスを維持していましたが、作家側のペンが止まり、結果として「休載状態のまま時間が凍結された」というのが事実に即した構図です。