転職市場や労務現場のトラブルで頻発するのが、基本給と月給の違い、そして額面30万円との違いを正しく把握していないことによる「計算違い」です。この言葉の定義を曖昧にしたまま雇用契約を結ぶと、入社後に深刻な後悔を抱えることになります。
「基本給」とは、各種手当や歩合給、時間外手当を除いた、給与体系の骨格となる基本固定給を指します。一方、「月給」は基本給に役職手当や資格手当などの毎月固定で支払われる固定的手当を足した総額であり、「額面(総支給額)」はそこに月ごとの残業手当や通勤交通費まで含めた全額を指します。
もし求人票に「月収30万円(基本給20万円+固定残業手当45時間分7万円+住宅手当3万円)」と書かれていた場合、額面は30万円でも基本給は20万円にすぎません。この差は、残業代の割増基礎単価や、退職金、そして賞与(ボーナス)の受給額に致命的な影響を及ぼします。
上表の通り、同じ「月々の手取り約23.7万円」であっても、基本給が30万円確保されているのか、手当込みの額面30万円なのかによって、生活の安定度や生涯年収の伸び代はまったくの別物となります。