パリ五輪の舞台を最後に、スパイクを置く決断をした古賀紗理那。コート上で見せた鬼気迫る表情と、主将としての強い責任感は、多くの人々の記憶に刻まれている。引退後の彼女が選んだのは、これまで削り続けてきた心身を労わりながら、夫の戦いを最も近くで支える生活だった。
生活のサイクルは一変した。早朝からの厳しいトレーニングや過酷な遠征日程から解放された一方で、アスリートをサポートする側としての模索が始まった。自身の経験があるからこそ、夫が抱えるプレッシャーや身体の不調には誰よりも敏感になれる。無言の微笑みや、何気ない一言。長年トップで戦い抜いた二人だからこそ通じ合う独特の空間が、そこには漂っている。