世界的なシティポップ再評価の波は、竹内まりやの『Plastic Love』や松原みきの『真夜中のドア』といった大ヒット曲の熱狂から始まり、今やディープで良質な「隠れた名盤」の探求へと急速に移行している。その最前線で一際強いスポットライトを浴びているのが、1980年代半ばに洗練されたリゾート・サウンドを打ち出した作品群だ。
当時、夏や海をテーマにした音楽は数多く作られたが、都会的なセンスとリゾートの解放感をこれほど見事なバランスで融合させた歌姫は決して多くない。湿り気を排した爽快なメロディラインと透明感溢れるボーカルは、40年の時を経た現代のリスナーにも新鮮な驚きを与えている。