今年、宇宙探査の分野で大きなニュースが飛び込んできた。小惑星や火星の地下深くから回収されたサンプルの中に、これまで地球上でしか確認されていなかった複雑な有機分子が発見されたのだ。これは単なる砂や石(無機物)の塊だと思われていた天体に、生命の種が存在した可能性を示唆している。
宇宙科学において、有機物と無機物の境界を精査することは、そのまま「私たちはどこから来たのか」という問いに直結する。無機的な宇宙空間で、どのようにして有機的な生命のビルディングブロックが組み立てられたのか。その謎を解く鍵は、まさにこの2つの物質の相互作用にある。