Q1:iPS細胞を使った治療は、今すぐ一般の病院で保険診療として受けられますか?
A1:現在行われているiPS細胞を用いた再生医療の多くは、大学病院等を中心とした「臨床研究」または企業が主導する「治験」の枠組みで実施されており、一般的なクリニックで誰もが保険証を使って受けられる保険収載の段階には至っていません。ごく一部の限られた疾患から段階的に実用化・薬事承認を目指している最中ですので、参加を希望する場合は主治医を通じて公的な治験登録情報を確認する必要があります。
Q2:間葉系幹細胞(MSC)などの他の幹細胞とは何が違うのですか?
A2:脂肪や骨髄の中に存在する「間葉系幹細胞(MSC)」は、採取した時点で幹細胞の性質を持っていますが、分化できる組織が骨や軟骨、脂肪などに限られています(体性幹細胞)。一方、iPS細胞は成熟した普通の細胞から人工的に作り出すものであり、神経や網膜、心筋など「ほぼ全身のあらゆる細胞」になれる万能性を持っています。守備範囲の広さと増殖力においてiPS細胞は圧倒的な能力を有しています。
Q3:移植治療以外に、身近な薬の開発にはどのように役立っていますか?
A3:すでに「創薬スクリーニング」の分野では大きな成果を上げています。難病患者のiPS細胞から作った病変細胞に様々な既存薬を投与する実験から、例えばALSの進行を遅らせる可能性のある薬剤(白血病治療薬ボスチニブなど)や、骨が筋肉の中にできてしまう難病「進行性骨化性線維異形成症(FOP)」に対する候補薬の発見につながり、既存薬の適応拡大を含めた臨床試験が加速しています。