インターネット上には「突発性発疹 写真 比較」などの検索ワードで多くの画像が掲載されていますが、スマートフォンの画面越しに行う写真比較には大きな落とし穴が存在します。
第一の誤解は、「発疹の色や形状だけで判断できる」と思い込むことです。赤ちゃんの皮膚は非常に薄く、血流の変化や室温、入浴の前後で見た目が劇的に変わります。あせもであっても、広範囲に毛穴が赤く炎症を起こせば突発性発疹の紅斑と酷似します。逆に、突発性発疹のブツブツが汗の溜まりやすい首回りや脇の下に濃く出るケースもあり、写真の「見た目」だけを頼りに自己診断を下すのは医療安全上きわめて危険です。
第二の盲点は、あせも用の市販薬を不用意に塗り重ねてしまうことです。多くの保護者が「あせもかもしれない」と判断し、ドラッグストアで手に入るあせも治療薬やステロイド外用薬、清涼感のあるパウダー入り軟膏を買い求めて患部に塗布します。しかし、突発性発疹の発疹は皮膚の表面トラブルではなく、体内からのウイルス免疫反応です。どれほど高価な皮膚薬を塗っても治療効果はなく、かえって弱っている赤ちゃんの皮膚に接触性皮膚炎(かぶれ)を誘発する二次被害を招きかねません。
あせもの治し方やスキンケアの基本は、薬を塗りたくることではなく「物理的に汗を洗い流し、皮膚のバリア機能を整えること」に尽きます。もしあせもであるならば、以下のステップを踏むのが臨床的に最も合理的です。
- 汗をかいたら乾いたタオルで強く擦らず、濡らした柔らかいガーゼで押さえるように拭き取るか、ぬるま湯のシャワーで流す。
- 石鹸の使用は1日1回、よく泡立てて手のひらで優しく洗い、皮脂を落としすぎないよう注意する。
- 入浴後は低刺激の保湿剤(ヘパリン類似物質や白色ワセリン等)で薄く保護し、炎症が強い赤みには医師から処方された適切なランクの外用薬を用いる。
- 市販薬の選び方としては、メントールなどの刺激成分が無添加で、非ステロイド系抗炎症成分(ウフェナマートなど)や患部を保護する酸化亜鉛(亜鉛華軟膏)を主成分とした低刺激処方を優先する。