三が日の北海道神宮といえば、かつては極寒の中で数時間待ちを覚悟するのが当たり前だった。だが、参拝客の行動様式はこの数年で激変している。
原因は明白だ。手元のスマートフォンで、拝殿前の待機列が第二鳥居まで達しているのか、それとも手水舎あたりで収まっているのかが秒単位で把握できるようになったからだ。画面を見て「今は列が途切れている」と確認してからコートを羽織る家族連れが増えた。ピーク時は分刻みで映像が更新され、SNS上では「今、規制かかりました」「南一条通側の駐車場は満車です」といったリアルタイムの目撃談がカメラ映像の補足情報として飛び交う。
結果として、参拝の波は見事に分散されつつある。かつてのような殺人的な混雑は緩和され、深夜や早朝の隙間時間を狙ったスマートな初詣が定着した。冷え込みが厳しい北国の冬だからこそ、映像による「待たない工夫」は切実な知恵として共有されている。