医療法上の違い以上に、受診者が直接的な影響を実感するのが「窓口での支払い額」です。厚生労働省は高度医療機関への外来患者集中を防ぎ、地域の役割分担を促す目的で、大病院を初診で受診する際の費用ルールを厳格化してきました。
最大の違いは、「紹介状なしの選定療養費」の存在です。特定機能病院(大学病院など)や、地域医療支援病院を含む200床以上の一般病院を受診する際、地域のクリニック等からの紹介状を持参しない場合、健康保険が適用される初診料とは別に、全額自己負担の追加費用が義務付けられています。
この選定療養費の初診時最低金額は、医科で7,000円(税込)、歯科で5,000円(税込)と定められています。2026年の診療報酬体系においても、外来機能の分化・連携を推進する方針は堅持されており、大病院にふらりと飛び込み受診をした場合、窓口負担が合計1万円前後に達することも珍しくありません。
通常の風邪や胃腸炎、日常的な生活習慣病の初期診断であれば、クリニック受診なら診察料・処方箋料を含めても数千円程度で済みます。対して大病院へ紹介状なしで向かった場合、同じ薬を処方してもらうだけで選定療養費を含めて1万円を超える請求が発生します。この価格設定は、読者が自発的に受診先を振り分けるための政策的誘導策に他なりません。