一時的な腫れであればアイシングで経過観察が可能ですが、一刻を争う重大な膝ヒアルロン酸注射の副作用とリスクが存在します。それが「化膿性関節炎(関節内感染)」です。関節腔内に黄色ブドウ球菌などの細菌が侵入・増殖する病態で、発生頻度は数万回に1回程度と極めて稀であるものの、放置すれば関節軟骨が数日で不可逆的に破壊され、永続的な歩行障害や敗血症につながる危険性があります。
絶対に看過してはならない膝ヒアルロン酸による化膿性関節炎の症状には、明確なレッドフラッグ(危険兆候)があります。注射後2〜3日以上経過してから急激に痛みが強くなり、「何もしなくてもズキズキと激しく拍動する」「膝が赤黒く熱を持ってパンパンに腫れ上がる」「膝を1ミリも曲げられない」「38度以上の高熱や悪寒を伴う」といった状態に陥った場合は、一過性の反応ではありません。
こうした異変を感じた際、膝関節注射の失敗や医療相談をどう進めるべきか迷う患者は少なくありません。しかし、感染症が疑われる場合は元のクリニックの再診を待つだけでなく、夜間休日であっても関節穿刺による細菌培養検査や緊急洗浄が可能な総合病院の救急外来を受診する決断が不可欠です。診察室での医師の説明不足や、「もう少し様子を見ましょう」という漫然とした対応で初期治療が遅れた手記が医療訴訟の判例集にも残されており、患者側の自己防衛としての知識が問われます。