高血圧治療で頻繁に処方される「カルシウム拮抗薬」を服用している際、最も警戒すべき成分がフラノクマリン類です。この成分は小腸にある薬物代謝酵素(CYP3A4)の働きを強力に阻害するため、本来分解されるはずの薬が想定以上に体内に吸収されてしまいます。
問題は、このフラノクマリン類がグレープフルーツ特有の成分ではないという点です。日本の伝統的な柑橘類や近年の人気品種にも豊富に含まれており、知らずに口にしてしまうケースが後を絶ちません。降圧薬を服用中の方が避けるべき代表的な柑橘類として、以下の品種が挙げられます。
特に注意が必要なのが、冬から春先にかけて旬を迎える八朔(はっさく)や文旦(ぶんたん・土佐文旦)、爽やかな甘みで人気のスウィーティー(オロブランコ)です。さらに、加工品や調味料として身近なダイダイ(橙)、サワーや料理の香り付けに使われるライムにも高濃度のフラノクマリンが含まれています。これらを生果実として食べるのはもちろん、果汁100%ジュースやゼリー、ドレッシングなどで摂取した場合も同様の相互作用が生じます。