苛酷な東北の冬風や水面の湿気に晒され続ける屋外の金属像にとって、表面の維持は至難の業だ。特に風雪が吹き荒れる田沢湖畔では、金箔の剥離や表面の酸化が常に懸念されてきた。そこで近年実施された包括的な修復作業では、金沢の伝統的な金箔押し技術と、ナノレベルの親水性保護コーティングが組み合わされた。
職人たちの手作業によって一回一回丁寧に重ねられた金箔は、強い紫外線や凍結融解のサイクルに耐えうる最新の微細膜によって守られている。修復を担当した文化財保存の専門家は、「単に綺麗にするだけでなく、次の50年、100年先へこの輝きをバトンタッチするための技術的試みだ」と語る。光の角度によって様々な表情を見せる表面処理は、芸術性と耐久性の見事な融合といえる。