デスクワークやスマートフォンの画面に囲まれた日常から離れ、五感を取り戻すアクティビティとして「歳時記ウォーク」が脚光を浴びている。歳時記をポケットに忍ばせ、雑木林や古民家、あるいはウォーターフロントを歩きながら、その日、その場所でしか出会えない季節の表情を探す旅だ。
「静けさや岩にしみ入る蝉の声」と詠んだ芭蕉のように、静寂の中で耳を澄まし、風の肌触りを感じ、草の匂いを嗅ぐ。参加者たちは、日頃いかに自分たちが周囲の自然や季節のシグナルを見落としていたかに気づかされるという。スマホの通知をオフにし、鳥の声や葉擦れの音に耳を傾ける時間は、現代における最高のデジタルデトックスとして機能している。