ハブ酒とは、沖縄や奄美群島に生息する猛毒蛇「クサバー(ハブ)」の有効成分を高濃度のアルコールに抽出させたリキュール類の一種です。古くから沖縄では滋養の源として重宝され、疲労回復や活力増進を目的に家庭や酒造所で受け継がれてきました。
ハブ酒の原材料のベースとなるのは、沖縄を代表する蒸留酒である泡盛です。米こうじを100%使用した芳醇な泡盛に、ハブのエキスと十数種類の東洋ハーブ(朝鮮人参、ウコン、クコの実、ケイヒなど)をブレンドすることで、特有の深みと香りを生み出しています。
伝統的なハブ酒の作り方は、単に生きた蛇を酒に漬け込むだけではありません。衛生管理と品質安定のため、極めて厳格な工程が踏まれます。
まず捕獲したハブを生きたまま数カ月間絶食させ、体内の排泄物を完全に排出させます。その後、内臓を丁寧に取り除いて入念に水洗い・消毒を行い、アルコール度数50度以上の高濃度原酒に漬け込んで成分をじっくり抽出します。近年では、急速冷凍や低温抽出技術の導入により、特有の生臭さを完全に抑えつつ、上質なエキスの抽出に成功しています。