日本国内におけるレモンの収穫サイクルは、初秋の10月上旬から翌年春先の3月下旬までという非常に長い期間にわたります。この長期にわたる収穫期間の中で、果実は劇的な生理的変化を遂げています。農林水産省の生産出荷統計や主要産地(広島県瀬戸田町や愛媛県岩城島など)の栽培基準によると、国産レモンはまず10月からグリーンレモン収穫時期を迎え、気温の低下とともに果皮の葉緑素(クロロフィル)が分解されることで、12月以降に黄金色のイエローレモンへと移り変わります。
果皮が緑から黄色へと変化するスイッチは、日中の日照と「秋の夜温」にあります。日最低気温が10℃〜12℃を下回る日が続くと、果皮内のクロロフィルが急速に退色し、隠れていたカロテノイド色素が表面化します。これがレモン黄色くなる時期の生理メカニズムです。つまり、温暖な地域や暖房の効いた室内・温室環境では、実が成熟サイズに達していてもなかなか黄色くなりません。
また、栽培している品種によっても収穫適期は前後します。寒さに比較的強く日本国内で最も広く普及しているリスボンレモン特徴は、鋭い酸味と豊かな芳香、そして耐寒性の高さにあり、10月中旬の青レモンから年明け2月〜3月の完熟期まで長く楽しめます。一方、オレンジとの自然交雑種とされるマイヤーレモン収穫時期はやや早く、11月下旬には早くも色づき始め、酸味がまろやかで皮が薄いため、年内から1月中旬までの早期収穫が基本となります。