本作の凄みは、決して一人だけの物語に収まらなかった点にある。冷静沈着で孤高の天才肌である藍沢耕作を演じた山下智久、そして情熱的で負けず嫌いな緋山美帆子を演じた戸田恵梨香。この三者三様のコントラストが、画面越しに火花を散らした。
現場ではライバルであり、同時に誰よりも互いの傷を理解し合う同志。馴れ合いや安易な恋愛感情に逃げず、ただ「救命」という極限の目的に向かって背中を預け合う関係性は、フジテレビジョンが手掛けた数ある名作群の中でも際立った輝きを放っている。手術台を挟んで交わされる無言のアイコンタクトひとつに、何十時間もの過酷な修練を共にしてきた者同士の信頼が凝縮されていた。