この楽曲を歴史的な傑作へと押し上げた要因は、HYDEによる完璧なメロディラインと、原作者・矢沢あいが紡いだリリックの危険な結合にある。HYDEが提示した荒涼としたガレージロックの意匠は、当時としても異色でありながら、J-POPのど真ん中を射抜くキャッチーさを決して失っていなかった。
そこに重なったのが、原作の世界観をそのまま濃縮した歌詞だ。「開け放した窓に 廻る乱反射のパラレル」――文学的な気取りを廃し、ただその瞬間の感情の爆発をスケッチしたフレーズの数々。2000年代初頭の東京という都市が孕んでいた、どこか退廃的で、それでいてキラキラと痛々しい光彩が、一行一行に焼き付いている。