棚橋弘至というアイコンの価値は、もはや後楽園ホールの外側でこそ猛威を振るう。テレビの情報番組、バラエティ、映画出演、企業CM、そして自叙伝やビジネス書の印税。これらリング外の活動による副収入が、彼のポートフォリオを盤石なものにしている。
清潔感と抜群の知名度、失言リスクの低さから、彼は一般企業からの引き合いが絶えない稀有なプロレスラーだ。単発の地上波ゴールデン番組の出演料から、年間契約のアンバサダー案件まで、タレントとしてのギャランティは確実に積み上がる。所属団体とのマネジメント契約に応じたレベニューシェアを経てもなお、年間で1,500万〜2,500万円規模のサイドインカムが生じていると見るのが自然だ。
痛々しい流血やアブノーマルなスキャンダルとは無縁の「パブリックな正義の味方」を演じきってきたセルフブランディングの賜物だろう。体調が万全でなくともカメラの前で笑顔を作れば成立するこの収入源は、肉体を酷使するアスリートにとって最大の生命保険として機能している。