ネット上の口コミや知恵袋、さらには芸人仲間が集うオンラインコミュニティを調査すると、芸人相方募集掲示板の評判には両極端な声が寄せられています。
「地元の友人にはお笑い好きがおらず、掲示板が唯一の希望だった。最初の3人は話にならなかったが、4人目に会った相手と意気投合し、現在インディーズライブで月5本活動している」(20代・アマチュア芸人)という前向きな報告がある一方で、生々しい失望の声も目立ちます。
「『本気で天下獲りましょう』と熱弁していた相手が、初回のファミレスでのネタ合わせに30分遅刻。しかも台本を1行も書いてこず、こちらのダメ出しに終始した。次回以降は音信不通」(30代・社会人芸人)
現場取材で見えてきたのは、NSC相方探しの実態とも通底する「焦燥感」です。養成所に入学した生徒の多くは、4月の開校直後から激しい相方探し競争に晒されます。人見知りで輪に入り込めなかったり、途中でコンビを解散したりした生徒が、藁にもすがる思いで外部の掲示板やSNSを頼るケースも後を絶ちません。しかし、孤立への恐怖から焦って手を組むと、ネタ作りや舞台衣装、ライブのエントリー費の負担配分といった現実的な調整で即座に破綻してしまいます。
また、学生であれば「お笑いサークル相方探し」という強固なコミュニティを活用できますが、社会人になってから芸人を志す場合、そうしたインフラがありません。その受け皿としてアマチュア芸人相方募集の需要が爆発していますが、心理的ハードルが低い分、関係性を放り出すハードルも低くなっているのが偽らざる実態です。