優れた身体感覚を養う一本歯下駄ですが、使い方を誤れば重篤な傷害を引き起こすリスクを孕んでいます。道具の性質上、一本歯下駄のデメリットや危険性を正確に認識しておくことは極めて重要です。
最大の懸念は、足首の「内反捻挫」です。一本歯下駄は左右方向の支持基底面が極めて狭いため、足首の関節が硬い人や、小指側に荷重が逃げる癖(回外足)がある人がバランスを崩すと、一気に外側の靭帯を伸ばしてしまいます。また、後方へ不意によろけた際、支えとなるかかとが存在しないため、アキレス腱を過伸展させたり後頭部を強打したりする恐れがあります。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
身体の専門家および編集部が策定した、導入の可否に関する判断基準は以下の通りです。
【積極的に導入をおすすめできる人】
- ランニングや陸上競技でオーバーストライドを是正し、ミッドフット着地を習得したいアスリート
- デスクワークによる慢性的な骨盤の後傾や猫背を、深層筋肉の活性化によって根本改善したい人
- 足裏のアーチが低下し、足指をしっかり使った地面の踏みしめ感(把持力)を取り戻したい人
【使用を慎重に判断・または避けるべき人】
- 骨粗鬆症の診断を受けている人、または過去に足首の靭帯断裂など重篤な関節弛緩性がある人
- 極度の外反母趾や足底腱膜炎で、荷重時に激しい炎症性疼痛を伴っている状態の人
- 手すりや壁などの支えがない屋外で、いきなり長時間のウォーキングを行おうとする初心者