歯科矯正を巡るトラブルで、治療完了後に最も多くの人が直面するのが「歯並びの後戻り」です。「矯正装置を外して数年経ったら、前歯がまたガタガタになってきた」「隙間が再び開いてしまった」という事態は、多忙な芸能人にとっても他人事ではありません。
歯は動かした後、周囲の骨が完全に再生・安定するまでに長い時間を要します。そのため、矯正装置(ブラケットやアライナー)を外した後は、保定装置(リテーナー)を最低でも動かした期間と同等、理想的には2〜3年以上装着し続ける必要があります。しかし、多忙なロケや撮影でリテーナーの装着を怠ったり、親知らずを放置して後方から歯列が押されたりすることで、歯は元の位置へと戻ろうとします。
一度失敗した歯列矯正をやり直す場合、患者には初回以上の負担がのしかかります。
- 再治療にかかる莫大な費用:矯正のやり直しは原則として自由診療となり、医院都合の明確な医療過誤が立証されない限り、新たに80万〜150万円規模の再治療費が発生します。
- 骨と歯根への不可逆的ダメージ:一度動かした歯を再び動かすことで、歯根が短くなる「歯根吸収」のリスクが高まります。重度の場合、歯がぐらついて将来的に脱落するリスクすら伴います。
- セラミックの不可逆性:特にセラミック矯正で神経を抜いてしまった歯は二度と元には戻りません。再治療ではインプラントや骨造成術など、さらに侵襲性の高い外科処置が必要となり、経済的・肉体的な代償は極めて甚大です。