エントランスを抜けると、ふわりと柑橘系の天然アロマが鼻腔をくすぐる。タバコの煙が充満していたフロアは完全に過去の話だ。クリーンエアテクノロジーによる徹底した換気と、吸音パネルを配したインテリアが、都会の喧騒を忘れさせる静謐さを生み出している。
照明はやや落とされ、間接光が木目調のカウンターを柔らかく照らす。まるで高級ホテルのロビーか、会員制のコワーキングスペースだ。電源席にはノートPCを開いてリモートワークをこなしつつ、オッズ板を横目でチェックするフリーランスの姿も珍しくない。「ここなら女性同士でも気兼ねなく入れる」と話すのは、名駅エリアのアパレル店に勤務する20代の女性だ。公営競技特有の近寄りがたさは、もはや微塵も感じられない。