Q1:妊娠何週から死戦期帝王切開の適応となりますか?
A1:母体救命を目的とした腹部減圧の観点からは妊娠20週以降、胎児の院外生存(児救命)も見込める基準としては妊娠24週以降が目安となります。実臨床の緊迫した現場では、超音波で週数を測定する時間がないため、医師が触診で「子宮底がおへその高さ以上にあるかどうか」を瞬時に確認して適応を判断します。
Q2:死戦期帝王切開を受けた母親が助かる確率はどれくらいですか?
A2:心肺停止の原因疾患(羊水塞栓症、心筋症、大動脈解離、脳血管障害など)に大きく依存しますが、国内・海外の症例集積データでは、適切な5分ルールに則って実施された場合、約30〜50%の母体が自己心拍を再開し、一命を取り留めた報告があります。切開を行わずに胸骨圧迫のみを継続した場合の生存率がほぼゼロに近いことと比較すると、極めて有効な蘇生手段です。
Q3:救急車内や自宅など、病院の外でも行われることはありますか?
A3:日本国内においては、器具の滅菌や蘇生後の集中治療体制が整っていない病院外(救急車内や自宅)で救急救命士などが単独で執刀することは法的に認められていません。病院外で母体心肺停止が発生した場合は、子宮を用手的に左側へ圧迫しながら最速で高度救命救急センターや周産期母子医療センターへ搬送し、初療室に到着した瞬間に医師チームによって実施されます。