敷地に足を踏み入れた者がまず度肝を抜かれるのは、温泉施設そのものよりも、曇天の空を突くようにそびえ立つ巨大な親鸞聖人像だ。台座を含めれば数十メートルにも及ぶその巨大な造形物は、かつてこの地で壮大なテーマパーク的宗教空間を築こうとした創業者一族の痕跡である。
広大な敷地には、打ち捨てられたようにも見える展示館や、役目を終えたようなオブジェが静かに点在する。昭和の熱気と平成の脱力感が野ざらしのままフリーズドライされたような光景。初めて訪れた旅行者は、ここが日帰り入浴施設なのか、それとも現代美術の野外インスタレーションなのか迷うことになる。この静けさと異様なスケール感の落差が、湯上がりのボーッとした頭に奇妙な居心地の良さを残すのだ。