セルフメディケーションが推進される時代だからこそ、「どこまでが自己責任の範疇で、どこからが医療の領域なのか」という境界線を明確に引かなければなりません。後悔しないための明確な判断基準を提示します。
市販薬によるセルフケアが適している人
- 季節の変わり目や一時的な乾燥により、部分的な粉ふきやかゆみが出ている人
- 赤みの範囲が手のひらサイズ以下で、かゆみも日中の活動を妨げない軽度な状態の人
- 過去に皮膚科で診断を受け、自分の症状のパターンと対処法を正確に理解している人
- 5日〜1週間程度で薬の使用を終了し、正常なスキンケアへ移行できる人
市販薬の使用を中止し、即座に皮膚科を受診すべき人
- 患部がジュクジュクして黄色い浸出液が出ている、またはかさぶたが多発している人(細菌・ウイルス感染の併発リスク)
- 夜間に激しいかゆみで目覚めてしまい、日常生活や仕事・学業に支障が出ている人
- 市販のステロイド外用薬を5日間連続して使用しても症状に改善が見られない人
- 皮疹が顔面全体、首、関節の内側など広範囲に拡大している人
- 小児や乳幼児(皮膚が極めて薄く、全身への薬剤吸収リスクが高いため医師の診断が不可欠)
現在、皮膚科の専門外来では、ステロイド外用薬だけでなく、タクロリムス軟膏(プロトピック)、デルゴシチニブ軟膏(コレクチム)、ジファミラスト軟膏(モイゼット)といったステロイドではない新規分子標的外用薬や、難治性アトピーに対するバイオテクノロジー製剤(抗体注射薬)など、かつてないほど多彩で安全性の高い治療選択肢が確立されています。市販薬で足踏みをして苦痛な時間を長引かせる必要はまったくありません。