2026年、松山千春は70歳、古希という大きな節目を迎えた。幾多の大病を乗り越え、盟友たちを見送りながらも、マイクの前に立ち続ける彼の歌声は、年齢を重ねるごとに凄みを増している。全国ツアーのMCで語られる結婚観もまた、円熟味とともにいっそう芯が通ったものになった。
「愛するってのはな、楽しいことばかり分け合うことじゃない。相手がボロボロになったときに、どれだけ隣で平気な顔をして立っていられるかだ」。結婚から40年余りを伴侶とともに歩んできた千春が口にするその言葉には、一切の嘘がない。効率やコスパが最優先されがちな現代において、不器用なまでに愚直なその夫婦観は、むしろ若い世代にとって新鮮な衝撃として受け止められている。