栄養学的な視点からも、この一皿が放つ説得力は凄まじい。デスクワークによる眼精疲労、慢性的な睡眠不足、そして乱れがちな自律神経。現代人が抱える不調の多くに、ひじきに含まれる鉄分、カルシウム、食物繊維、そして大豆イソフラボンや良質な植物性タンパク質が見事に噛み合う。
「夜遅くにステーキを食べれば翌朝の胃もたれは避けられないが、野菜サラダだけでは深夜に空腹で目が冴えてしまう」。都内のIT企業に勤める30代の女性はそう語る。肉の満足感を得られながら、消化器官にかかる負担は劇的に少ない。深夜22時の夕食であっても罪悪感なく喉を通る軽やかさは、タイパ(タイムパフォーマンス)ならぬ「ボディパフォーマンス」を重視する世代のライフスタイルに恐ろしいほど合致している。
乾物であるひじきをストックしておけば、賞味期限の近い木綿豆腐と合わせるだけでいつでも作れるという手軽さも、買い出しの頻度を減らしたい共働き世帯の強力な味方となっている。