普段に輪をかけてにおいがキツくなる最大のトリガーが、赤ちゃんのおならが臭い便秘の合併です。母乳やミルクの水分が腸管で吸収されすぎたり、腸の蠕動運動が不規則だったりすると、便が直腸や結腸に長期間留まります。滞留時間が長くなればなるほど、便の腐敗は進み、悪玉菌が放つ有害ガスが腸壁から吸収されずにおならとして濃縮排出されます。
また、授乳時に赤ちゃんの吸い付きが浅いと、母乳やミルクと一緒に多量の空気を飲み込んでしまう「呑気症(どんきしょう)」が起こります。これが胃でげっぷとして出切らない場合、腸へ送られて赤ちゃんがおならをよく出る状態を作り出します。空気が腸内の滞留便と混ざり合うことで、赤ちゃんに腹部膨満感やガス溜まりが生じ、お腹が太鼓のようにパンパンに張って激しく泣く原因にもなります。
このようなガス滞留と便秘を速やかに緩和するために、小児科医や助産師が推奨する代表的な家庭内ケアが以下の2点です。
1. 「のの字マッサージ」と足の屈伸運動
赤ちゃんの服を脱がせ、保護者の温かい手でおへそを中心に時計回りに「の」の字を書くように優しくマッサージします。大腸の走行に沿って適度な圧をかけることで、腸内の気泡が移動しやすくなります。あわせて赤ちゃんの両足首を持ち、自転車のペダルを漕ぐように交互に曲げ伸ばしする運動を取り入れると、腹筋が刺激されて自然な放屁が促されます。
2. 安全な綿棒浣腸のやり方と排便ルーティン
2〜3日排便がなく、おならばかり出て苦しそうにしている場合は、家庭での綿棒浣腸のやり方を実践するのが極めて効果的です。用意するのは大人用またはベビー用の綿棒と、滑りを良くするオリーブオイルやワセリンです。
綿棒の先端の綿球部分にオイルやワセリンをたっぷりと塗り、肛門へ1〜1.5cm程度ゆっくりと挿入します。無理な力を一切かけず、綿棒を円を描くように優しく数回回して肛門括約筋を刺激します。刺激を与えた直後、あるいは綿棒を抜いた瞬間に、溜まっていたガスと便が一気に噴出することがあるため、お尻の下には必ずおむつやペットシーツを広めに敷いて実施してください。なお、「綿棒浣腸を繰り返すと癖になって自力で出せなくなるのでは」と恐れる親もいますが、小児科学的な見解として癖になることはなく、むしろ便秘による腸の拡張を防ぐために早期介入が推奨されています。