地域密着型の大規模救急センターであるにもかかわらず、SNSや掲示板、検索窓では「千里救命救急センター 噂の真相」「受け入れ拒否された」といった不穏なキーワードが検索されることがあります。ネットの反応を詳細に検証すると、そこには三次救急と一般外来に対する一般市民の大きな認識のズレが浮き彫りになります。
実際に見られるネガティブな口コミの多くは、次のようなケースに集約されます。
- 「夜間に子どもが高熱を出し、近くだからと電話したら別の休日診療所を案内された」
- 「転んで手を切ったので直接駆け込んだら、待ち時間が長い上に選定療養費を請求されそうになった」
- 「救急外来の窓口で厳しい対応をされた」
結論から言えば、これらは「受け入れ拒否」ではなく、国の医療法および救急医療体制の厳格なトリアージ規定に基づく正当な医療機能の振り分けです。千里救命救急センターは、命に関わる三次救急患者(心肺停止、重篤な頭部外傷、広範囲熱傷、意識障害など)のために、高度医療機器と専従スタッフを常に待機させておく必要があります。もしここが軽症の風邪や軽微な創傷の患者で埋まってしまえば、数分後に運び込まれる心肺停止患者を救うベッドや医師が失われ、救えるはずの命が失われる「防ぎ得た災害死」を招いてしまいます。
吹田市救急医療体制では、夜間・休日の軽症外来は吹田市立休日急病診療所などが担当し、入院を要する中等症は二次救急輪番病院が、そして最も深刻な重症患者を千里救命救急センターが引き受けるという見事な棲み分けが設計されています。この構造を知らない利用者が「有名な救命センターなのに診てくれなかった」と感情的にネットへ投稿したことが、噂の真相と言えます。