性的なパートナーシップにおいて、十分な潤滑が得られない状態での摩擦は、単なる不快感にとどまらない。粘膜に目に見えない無数の微細な傷を作り、感染症のリスクを一気に跳ね上げる。だからこそ「何か滑るものを」と焦る。その生理的な衝動自体は自然なものだ。
問題は、その時どこに手を伸ばすかである。ボディソープ、ハンドクリーム、食用油、果ては洗面台のワセリン。自宅には「一見すると滑らかそうに見えるもの」が溢れている。しかし、これらは生殖器の繊細な組織を包み込むために作られたものでは断じてない。人間の粘膜は皮膚のような頑丈な角質層を持たず、化学物質や雑菌の侵入に対して極めて無防備であることを忘れてはならない。