2026年現在もファンを呑み込み続けるカキン帝国の王位継承戦。超巨大客船ブラックホエール1号という逃げ場のない鉄の棺の中で、王子たちの思惑、マフィアの抗争、幻影旅団の復讐劇が複雑に交錯している。この極限状態において、読者が密かに待ち望んでいるのが「陸地からの介入」だ。
船内の通信網は厳密に制限され、情報は錯綜している。もしこの電子の孤島に対して、外部からクラッキングを仕掛けられる存在がいるとすれば、それはミルキを措いて他にいない。カルトが旅団に潜入し、イルミが死のゲームに身を投じるなか、暗殺一家の頭脳がこの巨大な利権の渦をただ指をくわえて眺めているだろうか。グリードアイランドのロムを解析しようとしたあの執念が、未知の遺物や暗黒大陸のデータに向けられた時、物語はもう一段深い混迷へと突き落とされるに違いない。