終齢幼虫が十分に成長し、サナギになる準備に入ると明確なサインが現れます。もっとも分かりやすい兆候が、大量の水分を含んだ水状のフン(下痢便)を排出することです。これは体内の不要な消化物をすべて排泄し、体を身軽にして蛹化に備える生理現象です。
下痢便を出した後の幼虫は、餌を食べるのを完全にやめ、飼育ケース内を猛烈なスピードで歩き回る「ワンダリング行動」を始めます。サナギとして長期間静止するための安全な場所を探している合図です。
蛹化・羽化の失敗を防ぐための重要ポイントは以下の通りです。
- 垂直の足場を確保する:飼育ケース内に割り箸や乾燥した木の枝を立てかけ、段ボールの切れ端などを斜めに配置します。ツルツルしたプラスチック壁面では糸が滑り、落下事故の原因になります。
- 前蛹になったら触らない:体を帯糸で固定して丸まった「前蛹」の時期は非常にデリケートです。ケースを揺らしたり移動させたりせず、暗く静かな環境を保ちます。
- 羽化時のスペースを広めに確保:羽化直後の蝶は、縮んだ翅(はね)に体液を送り込んで伸ばすため、十分な高さとぶら下がる足場が必要です。翅が周囲に触れて曲がったまま固まると、二度と飛べなくなってしまいます。