水洗いを終えたどくだみを極上の茶葉へと昇華させるコアプロセスが、「完全乾燥」と「フライパン焙煎」です。日常的に手作り茶を楽しむ愛好家への取材でも、「この2工程の手間を惜しまないこと」がプロ級の味を再現する鉄則とされています。
【天日干しと乾燥期間の目安】
どくだみを数本ずつ麻紐や輪ゴムで束ね、風通しが良く直射日光が当たる軒下などに逆さまに吊るします。あるいは、市販の3段式干し網(ドライネット)に重ならないよう平らに並べる方法も衛生的で失敗がありません。 天候にもよりますが、乾燥期間の目安は晴天が続く環境で約3日〜7日間です。手で触ったときに葉が「パリパリ」と音を立てて砕け、太い茎までポキリと小気味よく折れる状態になるまで、水分を極限まで飛ばします。湿度の高い梅雨時に行う場合は、扇風機や浴室乾燥機、布団乾燥機の温風を補助的に併用して初期の水分を一気に抜くのが腐敗を防ぐ秘訣です。
【フライパンでの焙煎方法(悪臭を香ばしさに変える仕上げ)】
完全に乾燥したどくだみを、ハサミで2〜3センチ程度の長さにカットします。ここからの焙煎が市販品クオリティに引き上げる決定的な工程となります。
- 油分の付着していない清潔なフライパンを用意し、中火で軽く温めたあと極弱火に落とします。
- カットした茶葉を投入し、木べらや菜箸で絶え間なく揺すりながら、焦がさないようにじっくりと乾煎りします。
- 焙煎時間の目安は3分〜5分間。最初はわずかに残っていた野草特有の青臭い蒸気が立ち上りますが、熱が通るにつれて煙がおさまり、ほうじ茶や玄米茶を思わせる香ばしい芳香へと劇的に変化します。
- 全体がきつね色を帯びてきたら直ちに火を止め、平皿やバットに広げて余熱による焦げ付きを防ぎつつ冷まします。
粗熱が完全に取れた茶葉は、乾燥剤を入れた遮光性のある密閉キャニスターやジッパー付きアルミ袋に保管すれば、常温で約1年間の長期保存が可能です。