ニトリの強さを語る上で、ベトナムを中心とする巨大な自社生産拠点を抜きにはできない。単なる委託加工ではない。図面一枚から自社エンジニアが現場に入り込み、針の穴を通すような品質管理を敷く。これによって、商社や卸売を介さない圧倒的な原価率を実現している。
さらに近年、国内各地で稼働を本格化させた次世代型の自動化物流センターが、最後のピースを埋めた。ロボットが無数に行き交い、人の手をほとんど介さずに出荷されていくシステムだ。かつて物流のボトルネックと呼ばれた人手不足を、莫大な設備投資でねじ伏せた格好と言える。
汗をかいて安さを作る時代は終わった。テクノロジーで構造そのものを書き換えた者だけが、この過酷なインフレ下で生き残る資格を得る。彼らが売っているのは家具だが、その実態は洗練された巨大なテック企業に近い。