SNSや個人の家づくりブログには、カタログや住宅情報誌には絶対に掲載されない生々しい体験談が蓄積されています。「後悔の記録」「欠陥住宅との闘い」と題された記録を検証すると、表面的なプランニングの失敗を超えた、深刻なトラブルの実像が浮かび上がってきます。
公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが公表している相談件数のデータを見ても、新築木造住宅に関する不具合相談は依然として年間数千件規模で推移しています。相談内容のトップを占めるのは「雨漏り」「床の傾き」「外壁のひび割れ」であり、これらは図面通りの施工や適切な防水処理が現場で徹底されていないことに起因します。
ある大手ハウスメーカーの施主ブログでは、引き渡しからわずか3ヶ月でサッシ周りから雨漏りが発生し、壁内部の断熱材がカビだらけになっていた実態が写真付きで公開されて話題を呼びました。さらに深刻だったのは、その後の対応です。アフター窓口に連絡しても「下請け業者に確認させます」と回答されたきり数ヶ月間放置され、修繕工事が始まったのは第三者の住宅診断士(ホームインスペクター)を自費で雇い、法的措置をちらつかせてからだったといいます。まさにアフターサービスが悪いハウスメーカーの典型例であり、売ることだけにリソースを割き、引き渡し後のサポートをコストとしか捉えていない組織体質が露呈しています。
また、ローコスト住宅を中心に近年現実味を帯びているのがハウスメーカー倒産リスクです。長引く資材価格の高止まりと住宅着工戸数の減少に伴い、中小ビルダーだけでなく中堅メーカーの経営破綻も散見されます。着工後に会社が倒産した場合、「住宅完成保証制度」に加入していなければ、既に支払った着工金や中間金が戻らないばかりか、工事が途中でストップし、引き継ぎ業者を探すために莫大な追加費用が発生します。「財務諸表(決算書)の開示を拒む」「相場より不自然に安い前払い金を要求してくる」メーカーは、資金繰りが逼迫している可能性を疑うべきです。