黄色く熟したゴーヤを包丁で切ると、中央のワタと種が鮮烈な赤色に染まっており、驚く方が後を絶ちません。このゴーヤの種が赤い真相は、果実が完熟して種子を遠くへ運んでもらうため、鳥や動物を引き寄せる自然の戦略です。
赤い色の正体は、トマトやスイカなどにも多く含まれる抗酸化物質の「リコピン」です。この種を包む赤いゼリー状の仮種皮(かしゅひ)には糖分が凝縮されており、実際に口に含むと黄色いゴーヤの味と甘さは南国のフルーツや完熟メロンを思わせる濃厚な甘味を感じさせます。
普段の緑のゴーヤでは苦味の元凶としてスプーンで削ぎ落とされるワタと種ですが、完熟時はこの赤い部分こそが最大の美味スポットです。硬い種本体は噛み砕かずに吐き出すか取り除き、周りの赤いゼリー部分をそのままスプーンですくって味わうのが通の楽しみ方です。