ライオンズが直面した最大の悲劇は、打線の主軸を担うべきスタープレイヤーがことごとく他球団へ移籍したことにあります。過去数シーズンを振り返るだけでも、浅村栄斗選手、秋山翔吾選手(現広島)、森友哉選手、そして山川穂高選手といったタイトルホルダー級の打者が次々とチームを去りました。これほどの超一流打者を短期間で失えば、いかなる強豪であっても骨抜きになるのは自明の理です。
この主力選手のFA流出が引き起こした最大の弊害は、「打線の核」が完全に消失した点にあります。残された若手打者は、前後に強力な盾となる主砲が不在のまま相手エース級の厳しい攻めに晒され、経験の浅い段階で自信を喪失する事態が頻発しました。会見場で移籍を決断した選手たちが残した「より高いレベルで勝負したい」「環境を変えたい」という言葉の裏には、球団の設備投資や年俸査定に対する不満、さらには勝敗への温度差が垣間見えます。
また、球団フロントの編成方針が「マネーゲームには参戦しない」「生え抜き選手を育てて循環させる」という育成偏重に傾きすぎた結果、市場価値が高騰した主力を引き留める手立てを失いました。流出に見合う的確な戦力補填を行えないまま時間が経過し、チームの背骨となる打撃力が完全に枯渇してしまったのです。