小手先の丸暗記に頼っていると、試験本番の緊張感や急ぎのビジネスメール作成時に必ず判断が狂います。ここで役立つのが、認知言語学が解き明かす「to」と「-ing」の深層イメージです。
英語における不定詞「to + 動詞の原形」の本質は「未来へ向かう矢印(→)」です。矢印の先には目的地がありますが、まだそこには到達していません。これから向かっていく未来志向、あるいは到達すべき目標というニュアンスを帯びます。したがって、「try to」は「目標に向かって身を乗り出して手を伸ばす」イメージとなり、そこに「努力」「困難」「ハードルの高さ」が生まれます。
対照的に、動名詞「-ing」の本質は「目の前で展開している生き生きとした現実の動作」です。進行形(be -ing)と同じ語尾を持つことからも分かる通り、すでにその世界に足を踏み入れて活動しているイメージです。したがって、「try -ing」は「目の前にあるものを気軽に手にとって試す」感覚になります。身構える必要はなく、ポンと試行錯誤のボタンを押してみる感覚です。
このコアイメージを頭に入れておけば、次のような見分け方が一瞬で可能になります。
- 「壁を乗り越える努力」が必要か? → 矢印の先にあるゴールを目指すため try to
- 「ボタンをとりあえず押す」感覚か? → 目の前の動作を即座にやってみるため try -ing