ロッテの統治構造の不透明さが日韓両国で大々的に報じられたのが、2015年に勃発した「ロッテお家騒動」でした。創業者の長男である重光宏之(韓国名:辛東主/シン・ドンジュ)氏と、次男である重光昭夫(韓国名:辛東彬/シン・ドンビン)氏の間で、グループの後継権を巡る激しい権力闘争が巻き起こりました。
父である重光武雄氏の後継指名を巡って事態は泥沼化しましたが、最終的にロッテホールディングスの取締役会や従業員持株会を味方につけた次男の重光昭夫氏が実権を掌握しました。創業者の武雄氏は2026年1月に98歳で死去し、名実ともに昭夫会長を中心とする新体制へ移行しました。
現在の重光昭夫会長は、不透明と批判された日韓の資本構造を見直し、コーポレートガバナンス(企業統治)の透明化を推し進めています。日韓の事業連携を強める「One Lotte(ワン・ロッテ)」戦略を掲げ、菓子事業のグローバル展開やバイオ医薬品、電気自動車(EV)向け素材といった新成長産業への巨額投資を主導しています。かつての同族経営の閉鎖性を脱し、近代的グローバル企業への変革が現在進行系で進んでいます。