多くのファンが疑問を抱くのが、「本部はどうなっているのか」という点です。その中枢に位置するのが、東京都大田区羽田に拠点を置くラーメンショップ椿食堂管理有限会社です。創業者の山田勝協氏が1970年代に羽田で開いた小さなラーメン店がすべての原点とされています。
ラーメンショップ本部の現在は、一般的なメガフランチャイズとはまったく異なる「緩やかな連帯」を維持しています。一般的な外食チェーンでは売上に対する厳格なロイヤリティ(経営指導料)や内外装の完全統一が義務付けられますが、椿食堂管理のシステムは極めてシンプルです。
- 本部から指定の食材・資材を仕入れること(専用のタレ、特製調味料、ネギ和え用の粉末、麺、専用丼など)
- 看板に規定の屋号・ロゴ(○の中に「椿」など)を掲げること
- 過度なロイヤリティは徴収せず、店舗の裁量権を大幅に認めること
この独自の契約形態がラーメンショップ独立の経緯に直結しています。数か月間の店舗修行を経て仕入れルートを確保すれば、屋号を掲げて開業できるハードルの低さがありました。その結果、スープの豚骨濃度、背脂の量、トッピング、さらにはサイドメニューの構成や価格設定に至るまで、各店主が自由に腕を振るう環境が生まれたのです。あの「横浜家系ラーメン」の開祖である吉村家創業者・吉村実氏も、かつて平和島周辺のラーメンショップで修行した経験を公言しており、日本の濃厚豚骨醤油ラーメンの源流には常にこのシステムが存在していました。