毛嚢炎は皮脂腺が多く毛が密集している部位なら全身どこにでも発症しますが、とりわけ相談が多くケアが難航しやすいのが「デリケートゾーン(VIO)」と「頭皮」です。皮膚の構造や経皮吸収率が部位ごとに大きく異なるため、同一の市販薬を一律に流用することはできません。
デリケートゾーン(VIO・陰部)の毛嚢炎
アンダーヘアの脱毛やカミソリ処理、下着の締め付けと蒸れが重なるデリケートゾーンは、毛嚢炎の最頻発エリアです。注意すべきは、陰部の皮膚は腕に比べてステロイドの経皮吸収率が約42倍に跳ね上がるという薬物動態学的な事実です。大陰唇などの外皮部分にある単発の毛嚢炎であればドルマイシン軟膏などの非ステロイド性抗生物質軟膏を薄く塗布するのが安全策となります。
粘膜部分や膣口付近への外用薬塗布は厳禁であり、痛みが激しい場合や硬いしこりを形成している場合は、単なる毛嚢炎ではなく粉瘤(アテローム)の感染や性感染症(ヘルペス等)の鑑別が必要となるため、自己判断を捨てて婦人科または皮膚科へ直行してください。
頭皮の毛嚢炎
整髪料の洗い残し、帽子やヘルメットによる蒸れ、枕カバーの雑菌が引き金となる頭皮の毛嚢炎。頭皮トラブルに対して一般的な「軟膏」を使用すると、毛髪に油分が付着してベタつき、患部が蒸れてかえって悪化するトラブルが頻発します。ドラッグストアで選ぶべきは、軟膏ではなく頭皮用のリキッドタイプやローションタイプの外用薬です。殺菌成分や組織修復成分、清涼成分を配合した頭皮専用の治療液を活用しつつ、洗浄力の強すぎないアミノ酸系シャンプーで頭皮環境を清潔に保つアプローチが効果的です。