花粉症による目の充血は、医学的には「季節性アレルギー性結膜炎」と呼ばれる病態です。スギやヒノキなどの花粉が結膜(白目やまぶたの裏側を覆う粘膜)に付着すると、体内の免疫システムが花粉を異物と認識し、肥満細胞からヒスタミンやロイコトリエンといった化学伝達物質が一気に放出されます。
このヒスタミンが結膜に張り巡らされた微細な毛細血管を刺激し、血管を急速に拡張させることで、普段は目立たない血管が浮き彫りになり、白目が真っ赤に見える「充血」が引き起こされます。さらに血管壁から水分が漏れ出すと、白目がゼリー状に盛り上がる「結膜浮腫(けつまくふしゅ)」へと発展します。
ここで最も注意すべきは「目を擦る行為」です。かゆみに耐えかねて擦ると、物理的刺激によって肥満細胞が破壊され、さらに大量のヒスタミンが放出されるという悪循環に陥ります。結膜だけでなく角膜(黒目)に微細な傷がつき、細菌感染を招くケースも少なくありません。