9月23日前後は、仏教行事である「秋のお彼岸」の中日(ちゅうにち)にあたります。秋分の日を挟んだ前後3日間、合計7日間が彼岸の期間とされ、西方浄土にあるとされるあの世(彼岸)と、私たちが暮らすこの世(此岸)が最も通じやすくなる時期と捉えられてきました。
この時期にお墓参りを行い、仏壇を清めて供物を捧げる習慣は日本独自に発展した文化です。供物の代表格である「おはぎ」には、古くから邪気を払うと信じられてきた小豆が使われています。春の彼岸で食べる「ぼたもち(牡丹餅)」と同じものですが、秋は秋の七草である「萩(ハギ)」の花に見立てて「おはぎ(御萩)」と呼び分ける風流な季節感が込められています。
秋の小豆は収穫したてで皮が柔らかいため、粒あんとして素材の風味をダイレクトに味わうのが伝統的な仕立て方です。先祖への感謝を捧げつつ旬の味覚を家族で分かち合う時間は、多忙な日常において心を整える貴重な機会となります。