ポジティブな変化が語られる一方で、ネット掲示板やSNSで頻繁に目にするのが「アイコスで太る理由と体重変化」、そして「移行後のひどいだるさや頭痛」です。この現象には、生理学的および心理学的な明確な裏付けが存在します。
まず体重増加についてですが、主因は味覚の急速な正常化に伴う過食です。紙巻きタバコの煙に含まれる高熱ガスとタールは、舌の表面にある味蕾(みらい)細胞を慢性的に麻痺させています。アイコスへの切り替えによって味蕾の機能が回復すると、塩味や旨味、脂の甘みを強く感じるようになり、結果として無意識のうちに食事摂取量が増加します。
さらに、基礎代謝への影響も見逃せません。紙巻きタバコに含まれる一酸化炭素や多量の有害物質は、生体にとっては一種の慢性的ストレス毒性であり、過剰に心拍数を上げたり交感神経を刺激してカロリーを不自然に消費させていました。その負荷が取り除かれることで代謝が平熱化し、同じ食事量でも脂肪が蓄積しやすくなるのです。
一方、切り替え直後の「頭痛」「倦怠感」「眠気」などの体調不良は、疑似的なニコチン離脱症状と自律神経の揺らぎが原因です。アイコスのエアロゾルに含まれるニコチンは、紙巻きタバコの燃焼煙に比べて肺胞から血中へ移行するスピードやピーク到達曲線が微妙に異なります。「ニコチンを摂取しているはずなのに、脳の報酬系が紙巻きの立ち上がりスピードを求めて渇望する」というギャップが生じ、一時的な離脱様症状を引き起こすのです。