学術的な議論と歩調を合わせるように、大衆文化における関心も劇的な広がりを見せている。世界的な評価を集めた映画『パスト ライブス/再会』は、韓国の「縁(イニョン)」という輪廻転生の思想をベースに、前世から続く人と人との結びつきを美しく切なく描き、世界中で深い共感を呼んだ。前世という概念は、もはや怪奇趣味ではなく、人間関係の機微を解釈する豊かなメタファーとして受容されている。
日本国内では、荻久保則男監督によるドキュメンタリー映画『かみさまとのやくそく』がロングランヒットを記録した。胎内記憶や前世の記憶を語る子どもたちの素直な言葉を丹念に追った本作は、親世代を中心に「命の意味」を問い直すきっかけを与え続けている。
カルチャー作品が人々の心を掴む背景には、合理化されすぎた現代社会において、目に見えない命のつながりや歴史の重みを取り戻したいという普遍的な渇望があるのだろう。