1970年代初頭、淀橋浄水場の広大な跡地で始まった西新宿のスカイライン形成。その中核として三井不動産が総力を結集したのがこのビルだった。設計を手がけた日本設計は、外部に露出する鉄骨ブレースと深いブロンズ調のアルミカーテンウォールを組み合わせ、それまでの日本のオフィスビルにはなかった彫りの深い陰影を生み出した。
無機質な箱型建築とは一線を画す。見る角度や時間帯によって黒から深い茶褐色へと表情を変える外観は、半世紀前の建築家たちが抱いた「都市の美学」を今に伝える。時代がどれほど移り変わろうとも、優れたプロポーションは陳腐化しない。その事実を、このビルは静かに雄弁に物語っている。